fc2ブログ

大阪が停止する日 【プリンセストヨトミ感想】

プリンセストヨトミ見に行ってきた!

(仮)映画オリジナル・サウンドトラック「PRINCESS TOYOTOMI」(仮)映画オリジナル・サウンドトラック「PRINCESS TOYOTOMI」
(2011/05/25)
佐橋俊彦

商品詳細を見る

音楽、佐橋さんやでぇドヤァ 小説読んだ時から「これは絶対映画化する!!」と思ってた以上にすごく楽しみでした! そのわりに映画化することは最近知ったんだけどw なんか久しぶりに映画行くのワクワクしましたね。

以下感想など。小説読んだのは去年なのでいろいろ記憶があやふやですが原作の話を混ぜつつ書きます。

あっ!!!! 予告編で「阪急電車」の予告見たの!!! 金沢イオンシネマでは六月から公開だから!!! ホームきけたあああうおおおおお 絶対☆見に行く☆☆☆☆☆☆










何故か原作読み終わった時「これは絶対映画化!」とわけもわからず根拠なしに一人興奮していたのですが、まさかまさか本当に映画化してしまうとはですよ。しかも! 神ドラマ「鹿男あをによし」のスタッフで! あ、もちろん万城目作品っていう繋がりもあるんですけどね^^
ただびっくりしたのは旭が男になってて代わりに鳥居が男になって、それを「鹿男あをによし」でもやはり女になった藤原先生を演じていた綾瀬はるかさんが演じたことですね。いや、全然反対じゃないんですけど、私はてっきり旭=綾瀬はるかだと思ってたもので。マジで映画が始まるまで旭はちゃんと女だと思ってたw でも考えてみたら全然イメージ違うものね。私の中で旭は柴崎コウさんあたりだったので。イメージ違うのになーって思ってて、映画始まったらびっくりですよw この理由はパンフレットにも記載されていますが日常と非日常の切り替えの象徴として綾瀬さんはすごく万城目作品にピッタリな方なんですよね。確かに、鹿男の時もそうだった。「三角」の正体がわかるところは本当に面白かったですし。
原作の鳥居が持つノンキなところもばっちり彼女に合ってたし、逆に原作の鳥居は全く大阪国に触れなかったのに、映画の鳥居は結構ぎりぎりのところまで行くんですもの。
旭が男になって大阪国を本当の独立国にしたいという秘めた情熱をもった人物になってますが、個人的にはそれの裏付けが薄かったなあと感じた。あの道を通ったなら、父と子の絆を知っているはずで、大阪国が別に大きな存在にならなくてもいいことも知ってるはず。根拠の描写が少なくて、そこがちょっと×でした。最後、大輔のお母さんと話したり、大輔に「女達も大阪国のことを知っている」という秘密を教えるところも大好きだったので、うーん。本当残念。※映画では女たちも大阪国のことを知っているという設定になってます。

あ、あと原作がすごく好きだった私としては、大輔がマイクに向かって「お父ちゃんの話を聴け!!!」って絶叫するシーンが無かったのも本当に残念。あそこ一番好きなシーンだっただけにね。でも脚本の方も(この方も勿論鹿男の脚本を担当された方)旭を男にしたこととか、子供達と会計検査院のどっちに重きを置くかということにすごく悩んだらしいので、しょうがないのかもなー、と思う。でも!でもあそこすっごいいい見せ場だったのになあああ~~(´・ω・`)
そんなわけで! 映画を見た人にはぜひ原作も読んでいただきたいですね。
ぜひぜひ!文庫でも出てます!
あ、あと原作では松平じゃなくて大輔の父が撃たれるんですね。なにぶん読んだのがちょうど去年の今ごろで断片的なところしか覚えてなくていやはや恥ずかしい。でも松平が撃たれてそれから回想シーンに入って、大阪を去ると告げる流れのはよかったです。エンドロールの演出といい、松平は決して追い詰めるような人物じゃない、ということを描いていて。決して悪い人ではないんだと。
それは、豊臣断絶を狙った徳川軍の中に、誰か一人くらい、それこそ大阪国のきっかけとなった想いである「可哀想」という感情を抱いた人がいてもいいんじゃないか、という歴史に対してのifというより、願いや祈りを感じるようなつくりでしたね。

万城目さんも好きだと言っていたのはひょうたんのシーンw あれ私もふきましたねwww いやさすがに心の中でね。女性アナウンサーがさっとひょうたんを取り出すところとかもうwww 「シリアスなシーンをあれだけアホに描くとは」って万城目さんがパンフに書いてましたww みんなが口々に「ひょうたんや」「ひょうたんや」って言ってわらわら動きだすのも、すんごく重要なのになんかアホらしかったw

原作読んでても確か目頭が熱くなったんだけど、大阪国が守ってるのは見知らぬ少女(茶子)の命だけじゃなくて、父と子の絆……というとなんかクサイなー、なんかいい言葉に置き換えられないかしら、と思うのだけど、でもやっぱり「絆」。それを護ってるんだ、と真田さんが松平に強く言うところ。映画館の力はすごい。泣いちゃうところでしたね。
生まれた時から、いや、生まれる前からずっと一緒にいる母と子の繋がりに比べて、父と子の繋がりはあまりに薄すぎる。油断したらそれは消えかかってしまうくらいに。それは私がずっと前から考えてきたことでもあります。
だからこそ父から子に託される大阪国という秘密は、ずっとずっと、600年も多くの父と子の間に受け継がれてきたこの想いは、どんなことがあっても守り通したい。それを告げられた時は、全てが遅すぎるのだから。
万城目さんがパンフで答えているように「鹿男あをによし」へのアンチテーゼもある作品。「人間は文字にしないと全て忘れてしまう。人間が忘れてしまったものを俺達が伝えているんだ」と言った鹿に、万城目さんは「そうじゃないんじゃない? 人間も文字じゃないもので何かを伝えているかもしれないよ?」と、「プリンセストヨトミ」を書いた。
時が経っても伝えられる想い、伝え続けられる想いというのは、私はフィクションじゃなくてもちゃんと存在すると思う。どちらの作品も好きだけど、万城目さんの意図を知ってますますプリンセストヨトミが好きになりましたね。



以下細かいこと!

・大輔のお母さん役が和久井映見さん! 音楽担当の佐橋俊彦さんは「ちりとてちん」の音楽も担当していたので、えっこれなんてちりとて!?と思いましたw これで綾瀬さんが貫地谷さんだったら完全にちりとてだった。というか私、よく二人を混同します。似てますよね? あと中井貴一さんの焼くお好み焼きの美味しそうなこと! 食べたくなった…
長宗我部役が笹野高史さんなんですが名前がなかなか出てこない役者さんの一人です……寝ずの番に出てたんですよね。何故か春團治師匠かと思ってしまったw そういえば寝ずの番は中井貴一さんも出てた…

・玉木宏の贅沢すぎる無駄遣いを刮目せよ!!!www カメオ出演まじおいしいです!!! って私、パンフ読んでから気付いたんですけどねw エンドロール見て「えっ玉木宏?? ま!まさか……」と思ってパンフ読んだら案の定たこ焼き屋のお兄ちゃんだったww だからか! だから皆さんたこ焼き屋のシーンでクスクスしてたわけですね!??
鹿男では主演だったからかなー^▽^ あっ南場先生役の宅間さんも出演されてました。南場先生は実際原作でもチョイ役で描写もあるし納得だけど玉木さんの場合はねじ込みすぎw でも後から考えるとちょっと鳥居とイチャイチャしてる感じだったんでまさかこれは小川×藤原派へのファンサービスなのだろうかと思ってしまった…w

・茶子役の子さいしょ男の子かとおもった……ワイルドな子だなあ。今時の女子中学生という感じじゃなくて、ひと……いやふた昔前のアイドルみたいなかんじでした。薬師丸えつこさんみたいな? なんかこうセーラー服と機関銃っていうか……スケバンみたいな… まあ要するに髪型がもっさりしている。でもそれが下町の子っていう感じが出ててすごくいいなと思いました。んで大輔役は森永悠希くんで、え!しゃべれどもしゃべれどもの村林…だと!? 四年経つと随分変わるんだなあ、すっかり声変わりしちゃって。

・テーマ曲も主題歌もイイ! テーマ曲は何となくゾワゾワしますね。謎をかきたてられる感じが。

以上!
絶対映画化する!と思った作品がこうして本当にスクリーンで見れるのは最高にテンションあがるものなんだなあと感じました。昨今なんでもかんでも実写化することに頭ごなしにdisる人いっぱいいるけど(マー確かにわたしも漫画やアニメを頻繁にするのはどうかと思ってるけど)商業的な思惑はどうであれ、やっぱり一つの作品として楽しんでもらいたいって思って、すごく真剣に取り組む人がいるから、映画やドラマはすごく面白くなるんだと思うんです。だから、どんどんこい!実写!……と私は叫ばせて頂きますね! あーついったじゃ叫べないこと叫べてよかった^^^^^^!!! アニメや漫画じゃなくて小説にいっぱいいっぱい面白いものがあるから、どうせ実写化するならこっちにして欲しいよね。まあ集客力とかインパクトないんだろうけどさ…
次回は冒頭にも書きましたが、ようやく金沢でも公開になる「阪急電車」を見に行こうと思います! レイトショーあるといいなー。
Category: えいが

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する