終わりのない放浪 【放浪記いってきたよざっき】
2015/11/05(Thu)
私の放浪
昨日ははるばる東京まで放浪記をみにいってきました。おおげさな感想を書くわけじゃないけど、とりあえず書けるだけかいとく。

席は真ん中あたり。もっと広い会場かと思ってたけどシアタークリエはいい意味でこじんまりとしてるところだったので最初席表で見た時はうーんちょっと遠いかなーって思ってたのが想像より前の方だったし視野も広かったのでなかなかに満足。まわりは年配の方が多かった。もしかすると森さんの公演の頃から見ている人、放浪記ファンな方がいたのかも。旅行ツアー客の団体さんもいたですね。入り口のところで見た。
生の仲間さんの演技ー!って興奮してたけど始まってみると至って冷静に見れた。とおもう。でも思い出すとドキドキする。いつもおねえさまとお慕いしておられる女優さまが……同じ空間に……!(おおげさ くるくる回ったりはしゃいだりしてる芙美子はいとかわゆす! とーにかくかわいかったです。まだ第一幕(一場?)の辺りではね。第二場のケンカするところなんかこっちがハラハラした。美しさを兼ね備えた気の強い、凛とした人を演じさせるとこの人の右に出るひとはいないと思いました。うんうん 第三場では広島弁由紀恵! もの食べる由紀恵! ものを食べる仲間由紀恵は重要文化財レベル!! が、オペラグラスとか持って来てないので必死でガン見してました。かわいい。

いちおう観劇しながらちまちまメモ取ることはとってたけどあんまり長い感想を書くつもりではないのである。以下続きに





放浪記と言う作品について、というか芙美子について、になる。仲間さんの演技とは別物のはなしで。
私も作家になりたい人間のはしくれ(人はそれをワナビという)なので芙美子の一挙一動一発言すべてざくざく怠惰な作家魂を刺激してくるのであった……これはまあ言い訳になるけど芙美子の時代と一億総作家の今の時代じゃ全然わけが違うステージ・次元が違うので簡単には比較できないけど(一億総作家ゆーてもなろうとかでアマチュア作家が氾濫してるだけで、お金貰ってる作家さんなんてごくわずかだ)私も!ちゃんと作家業しなきゃだ!執筆しなきゃ!私は芙美子にタメ張れるだけの創作の情熱はあるか?!今はないな!?ああ私も彼女くらいの情熱が!仕事が欲しい!とほんとにつくづく感じたのでありました。これ、作家ワナビな若者が見たらどう思うかちょっと気になる。
私はわりと理想主義というか、自分がただでさえもみっともないすっっっっごいドロドロした汚い作家だと自分では思ってますので、だからその、綺麗なものを、清廉なものを求めがちなんですよね…… 自分が来たないから汚いもの見ると自分を見ているようでいやだってやつなんですけど、芙美子は結構そんなのでw 見てて心がざくざくしました。でも芙美子は前向き――というわけじゃないけど、何が何でも戦ってやる、という激しい執心というか、ただでは起きないような……絶対にあきらめないし、弱音も吐かないし……っていう、つまり私が「もういいんだよ!」って横で支えてあげたくなるようなそんな思い切り好みの女性だったなあ、なんて笑

あとこれはおのおのの創作主義にも関わってくるから一概に言えない話だけど、芙美子は一度でも楽しいなとか、生活のためじゃなく書きたい!って気持ちがあったのかなーとかちょっと思った。そうじゃなくてリアルプロレタリアといいますか、ンな理想主義なきれいごとなんかクソくらえじゃわーー! って書いてたのが芙美子なんだが、そしてそういう強さは憧れる反面どぎついものがあって、嫌いではないけど気圧されてしまうというか……ふだん光属性の作品ばっか摂取してるせいで(プログラムの菊田氏の文にあった人々みたく)そう思っちゃう。泥の沼に蓮を咲かせたのではなく泥の沼にぼろぼろのカスカスの花を咲かせたような、そんな芙美子。あーでもなあ……こう書いてはいるけれどやっぱそれも花よね。仲間さんがインタビューとかでも答えてたみたいだけど。つらくても花の時があった、というか。
もっと純粋に文学に憧れる頃の芙美子を見たかったかな。第一幕のチェーホフの原書を買ってウキウキしてる芙美子が一番それっぽかったかも。

京子がいかにも大正なモガ!ってかんじですごーい可愛かったです。百合的な目線で見るなら悠起との関係もすごく好きだけど(あっちのがいかにもな百合)京子との関係もライバル同士なのでちょう好みですね。ある意味芙美子を救ってくれるのは男でなく女だったのでは。わたしはね、悠起が訪ねてくるエンドを若干期待していたのだけど……ベタいけど!そうだったら感動さらに倍率ドンだったw 百合いエンドでもよかったと思うの! つーか放浪記百合だこれ!!百合だ!まぎれもなく百合なんだよな案件だこれ!第二幕の百合の波動にわたしはふるえたよw!

あんたちっとも幸せじゃないんだね、っていうのは非常に皮肉がきいてるというか……一方ではあまり好きじゃないなあって思いながら、反面、たまらんと思うエンドです。
そうなんだよなー芙美子が一度でも心から幸せそうにしてるところみれたら私の心は晴れただろうなあ。ボロボロになった果てでやっぱり何かしらの救いが欲しかったね。救いがなかったのが実際の林芙美子だったのかな? いやいや、あの「花の命はみぢかくて」のあとにちゃんと現世肯定のポジティブな詩が続くのをこないだプロファイリングでみましたので、何かしら救いというか悟りというか、きっとあったわけで。そういうのが見たかったかしら。ハッピーエンド好きだからかな。
……お金も豊かな生活も手に入れたけど、人から言わせれば決して幸せにはなれなかった芙美子が本当に欲しかったものはなんだろうな。芙美子は何を目的に、本当は何をしたくて生きてきたんだろうな、愛かなやっぱ。愛したいし愛されたかった? でも最終的に旦那さん一人に定まるしなあ。ちっとも幸せじゃ……に通じる話なんだけど何だったのかなーって。一番うれしそうだったのが(それこそ側転っていう表現で表されたように)放浪記が載った時だったけど、その放浪記も京子の原稿を犠牲にしてズルして得たもので心から喜べるものじゃ、本当はなかったわけで……
おかしいな、欲しいものは手に入れたはずなのにどうしてこんな釈然としないんだろう、疲れきってしまったんだろう……って気持ちは現代にも通じる普遍的な気持ちだと思うし、だからこそ私がいろいろ釈然としない複雑な気持ちでいるのだろう。
やっぱり最後に、ご都合主義でもいいから悠起が会いに来て欲しかった、最後に芙美子が笑ってくれれば、もうぼろぼろ私は泣いただろうね。一番芙美子が喜んだ、報われた場面であった側転のあのシーンで幕が下りているならまだしも、そうではなくどこか寂しい晩年まで描いたからこう思っちゃうんだ。悠紀とも和解出来ず離れたまま終わっちゃったし。とにかく私は救済が欲しいのだ。救いと赦しを作品に見いだしたいし、自分も描きたいのだ。

と、感想下書きに箇条書きにしたものをつらつらと並べました。ハッピーエンド至上主義じゃないけど、寂しい結末だったし、私は、別に仲間さんに限った話じゃなくて笑った人の顔を見たいなと、笑顔を見たいなと思うひとなので…
あとはメモから拾い書きしようかな。広島に帰った時初恋の人からまるで疫病神のような扱いを受ける芙美子に(´・ω・`)としてしまった…男のもとをいったりきたりして書いては書いては疲弊してく芙美子を見てるとああ安住の地はどこにあるのだろうか、まさに放浪記……と思わずにはいられなかったり。
安岡さんにくめない優しい人だったけどまさか京子の原稿を犠牲にする案を彼が出すとは……悪魔のささやき! まあ、原稿は自分で管理しんといかんですよね。原稿は作家のいのち! でも京子が芙美子にされたことは物書きワナビなら絶許レベルなので京子の気持ちめっちゃわかる。自業自得ではあるが。そしてそうすることに良心がとがめなかった――完全にとがめなかったわけじゃなくてかなりの葛藤があったようだけど、そういうことを最終的にしてしまったっていう芙美子はやっぱなんというか擁護しきれないというか。でもそういうずぶとい神経でもないと作家なんか出来ないけどね。
側転のシーンはまさかあそこでかーって感じ なぜか私はカフェーでやると思っててtな 出来るかw! なんかこう観客みんなのボルテージが可視化されてんじゃないかってくらい明瞭にわかっちゃってw おおみんな食いついてきた……くるぞ……くるぞ……って脳内のコメント欄が騒がしかったw 画家の旦那さん役は永井大さん。2002年以前に俳優のしごとしてますタイムレッド!ってちょっとおこだったけど久々にきいたタツヤの声はなんか懐かしかったし暖かかった。いい人なのよねこの旦那さん。鉛筆を削る苦労だけでも……ってとこきゅんときた(調べたら改名以前と以後でおしごとの境目をわけてるみたいなので一応02年は再デビューの年なのね。谷山浩子さんみたいに三つデビューの時があるのね把握)いい文章だよって褒めるところじーんとした。そうなの! 全ての文章や言葉は読まれてこそ! ここでちゃんとありがとう、が言える芙美子でよかったよ。
ちなみに側転のとこ私は芙美子デビューおめでとう!って気持ちで拍手してました。いやデビューしたからといって……ってブツブツ思ってたけどw でもこの明るい場面のすぐあとに悠起との別れがあってジェットコースターすぎんよ……とか思った。アップダウンの差がはげしっす! 放浪記出版記念のところでも「みんながみんなあんたを祝福してくれたとは限らない」って台詞がザクっときましたね。
晩年の芙美子みたとき「90年代のよしもとばななっぽい!」って思ったw わかるひとにしかわからんw 辛口な言葉を聞いてはー立川談志のようなひとだな……と思ったりなど。「ちょっと書かずにいるとすぐ落伍してしまう」に胸がいたんだ全国の創作畑のみなさーーーーんん!!! はい。はい……がんばります……

メモ拾い書きはまとまりがないけどまあこんなかんじです。これから大阪・名古屋・福岡と行脚するので公演を終えたあとの仲間さんがどんなことを語るのか楽しみです。
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